愛のポール・ニューマン。
R30型スカイライン



C210で出来なかったスポーティイメージの完全復帰を果たしたのが「ニューマンスカイライン」ことR30型です。形式を表す符合の「C」が「R」に変わり、サーフィンラインが無くなって新しい世代の登場をアピールしつつも、再びキャッチコピーに「愛」の文字が戻りました。

CMキャラクターにはハリウッド俳優のポール・ニューマンが登場。私はポール・ニューマンをこのスカイラインで知りました。その為映画「明日に向かって撃て」の主題歌「雨にぬれても」を聞いても、映画より真っ先にこのスカイラインが浮かんでしまいます。ポール・ニューマンは意外にも日産と縁があります。クルマ好きの彼は、米国のサーキットでボブ・シャープ・レーシングのダットサン280Zを駆って、レースに参戦した事もあるのです。レーサーも俳優もこなすポール・ニューマンこそ、スカイラインのキャラクターにピッタリだったのかもしれません。

蛇足ですが、V35からのスカイラインが「インフィニティG35」として北米でも販売されている事を、ニューマン氏がご存知だったら、是非乗っていただいて感想を聞いてみたかったものです…。

2000GTのエンジンは相変わらずL20E及びL20ETでしたが、これとは別に久々のDOHCエンジン「FJ20E」を搭載した「2000RS」が登場しました。4気筒ながら最高出力は150馬力。しかし「パワー競争」はとどまる事を知らず、ターボRSの登場で190馬力、更にインタークーラーを追加した「ターボC」では205馬力とパワーアップしていきました。
当然こうなるとサーキットへの復帰が噂され、その期待を裏切る事無く、RSをベースとしたレーシングカー「スカイラインスーパーシルエット」としてサーキットに復帰しました。(但しエンジンは、LZ20Bと言う別のエンジンです。)GT-R不在の中でイメージリーダーだったスーパーシルエットは、R30を語る上でも欠かせない存在です。また西部警察でもジャパンベースの「マシンX」に次いで「RS軍団」として登場し、こちらのイメージが大きい方も多い事でしょうね。

サーフィンラインをボディ全体で表現する「サーフィンシルエット」と称したデザインは完全に80年代スタイル。しかし開発主管の桜井眞一郎氏には「ハコスカ」が念頭にあったそうです。そう言われて見るとR30は、確かに全体的に「ハコスカ」にも通ずる雰囲気があります。傾斜のきついCピラーと三角窓、ジャパンよりも引き締まった印象のフォルムなどを見ていると「80年代のハコスカ」と言った感じもします。スカイライン開発に関して「小型車の枠で出来る限りの物を作る。」と桜井氏は語ったそうですが、当時のR30はそれが見事に達成されていたと思います。

R30は更にバリエーションが増えて5ドアハッチバックもラインナップされておりました。欧州ではセダンとワゴンの利点を兼ね備えたクルマとして5ドアハッチバック車も人気があるようですが、日本では現在に至るまで何故かセダンベースのハッチバック車は余り人気がありません。L20ET搭載のターボ車もラインナップされておりましたが、結局市場には受け入れられませんでした。プレイリーにも見られる日産の「フライングスタート」だったのかもしれません。

従来のスカイラインは4気筒モデルと6気筒モデルでノーズの長さが異なり、ボディの差別化が図られておりましたが、R30からは6気筒モデルのサイズに統一されました。コストダウンもさることながら、大幅なラインナップ拡大による製造ラインの混乱を避ける狙いがあったのかもしれません。

R30は、やはりスポーティカーのイメージを復活させたRSの存在が大きいのですが、バリエーションの拡張、ユニークなオプションパーツの充実などにより、「オールマイティなクルマ」と言うキャラクターを復活させた点に於いても、「80年代のハコスカ」とも言えるでしょう。



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